Rust言語のモジュールとライブラリの基本

Rust でライブラリを作成し、メインのプログラムからそのライブラリを利用する方法を説明します。モジュールの理解を深めるためのシンプルなサンプルを紹介します。

プロジェクトの作成

まず、メインのプロジェクトとライブラリを作成します。

cargo new main_app
cargo new --lib utils

これで以下のようなディレクトリ構成になります。

.
├── utils
│   ├── Cargo.toml
│   └── src
│       ├── lib.rs
│       └── math
│           ├── mod.rs
│           └── operations.rs
└── main_app
    ├── Cargo.toml
    └── src
        └── main.rs

ライブラリの実装

ライブラリ (utils) にネストしたモジュールを定義します。

utils/src/lib.rs:

pub mod math;

utils/src/math/mod.rs:

pub mod operations;

utils/src/math/operations.rs:

pub fn add(a: i32, b: i32) -> i32 {
    a + b
}

pub fn subtract(a: i32, b: i32) -> i32 {
    a - b
}

このライブラリには math というモジュールを作成し、その中に operations というサブモジュールを作成しました。

メインプロジェクトでライブラリを利用

メインプロジェクト (main_app) で utils を利用するために、依存関係を追加します。

main_app/Cargo.toml に以下を追加:

[dependencies]
utils = { path = "../utils" }

次に、メインプログラム (main_app/src/main.rs) で utils を使います。

main_app/src/main.rs:

use utils::math::operations;

fn main() {
    let sum = operations::add(5, 3);
    let difference = operations::subtract(10, 4);
    println!("5 + 3 = {}", sum);
    println!("10 - 4 = {}", difference);
}

実行

以下のコマンドで実行できます。

cd main_app
cargo run

出力:

5 + 3 = 8
10 - 4 = 6

まとめ

• cargo new --lib でライブラリを作成
• pub mod でネストしたモジュールを定義
• Cargo.toml にパスを指定して依存関係を追加
• use を利用してメインプログラムでライブラリを呼び出し

Rust のモジュールとライブラリの基本が理解しやすいサンプルになっています。